(1)経過
昭和53年10月 |
県と女川町、東北電力㈱との間で安全協定を締結 |
昭和57年2月 |
安全協定の実効性を確保するとともに条文解釈を明確化する改訂 |
昭和57年4月 |
運用要綱を制定 |
平成3年10月 |
安全協定に基づく通報連絡を「直ちに」、「随時」、「定期的に」の3種類に区分することにより、 連絡すべき事項を明確化し、情報伝達を正確化並びに迅速化 |
平成14年4月 |
運用要綱を改定し、県が隣接市町(石巻市、河北町、雄勝町)との連携を強め、協定書の運用にあたる旨明示するとともに、 女川原子力発電所環境保全監視協議会委員等の立入調査の同行を加える等、監視体制を強化 |
平成14年12月 |
発電所の保守運営の状況について、東北電力㈱が積極的に情報公開に努める旨を安全協定に明示し、地域住民との情報を共有化 |
(2)安全協定の主な内容
安全協定の条文は22条からなり、主な内容は下記のとおりです。
安全性の確保 |
東北電力は、関係法令・規定を厳守し、新技術の開発、安全管理体制の強化、従事者の被ばく低減、放射性廃棄物の低減に努める。 |
情報公開 |
東北電力は、発電所の保守運営の状況について、積極的に情報公開を行い、情報の共有に努める。 |
環境放射能・温排水の
測定・監視 |
県・町及び東北電力は、発電所周辺の環境放射能と温排水の測定調査を行い、その調査結果を技術会と協議会に諮り、県が公表する。 |
環境保全監視協議会の設置 |
周辺地域の生活環境の安全確保のため、測定結果の確認を行うほか、協定に定める事項を審議する。 |
環境調査測定技術会の設置 |
環境放射能・温排水の測定結果をとりまとめ、評価するほか、モニタリングの技術的事項を検討する。 |
通報連絡の義務 |
東北電力は、発電所及び核燃料輸送に係る安全確保対策について、「直ちに」、「随時」、「定期的に」の区分に従い、県や市町に連絡する。 |
立入調査と適切な措置の要求 |
県・町は、発電所周辺の環境の安全を確保するため必要と認めた場合は、立ち入り調査を行うほか、 その結果に基づき東北電力に対して適切な措置を要求することができる。 |
防災対策 |
東北電力は、自らの防災体制の充実強化を図るとともに、県・町の防災対策に対して積極的に協力する。 |
損害の賠償と風評等
による農林水産物等の
価格低下に係る措置 |
東北電力は、発電所の建設・保守運営に起因する損害、又は、風評等による農林水産物等の価格低下が生じた場合、最善の措置を講ずる。 |
(1)女川原子力発電所環境保全監視協議会
女川原子力発電所環境保全監視協議会(以下「協議会」という。)は、安全協定第4条に基づき昭和54年11月に設置されており、本県の原子力行政の基本となる安全協定の内容などについて協議する機関としての機能を有しています。
この協議会は、学識経験者、県議会議員、県の職員(副知事・企画部長・環境生活部長・保健福祉部長・産業経済部長)、原子力発電所立地町長・議会議長、関係町の漁業協同組合長、関係町長の推薦者で構成されており、その主な役割は下記のとおりです。
- 環境放射能・温排水測定基本計画の決定
- 環境放射能・温排水測定結果の確認
- 必要が生じた場合の測定の立会い
- 損害の賠償と風評等による農林水産物等の価格低下に係る措置の協議等
- その他地域住民の生活についての必要事項の協議
また、協議会は四半期に一度開催されており、環境放射能・温排水の測定結果等を環境調査測定技術会から報告を受け、原子力発電所の周辺環境に対する影響の有無の確認を行っており、この測定結果は地域住民や関係機関に県が公表しています。
測定結果
(2)女川原子力発電所環境調査測定技術会
安全協定第5条に基づき、環境放射能と温排水の測定結果のとりまとめと測定・監視等に関する技術的事項について検討するため、協議会の設置と同時に設置されたもので、その主な役割は、環境放射能・温排水測定方法の検討と調整、環境放射能・温排水測定結果の取りまとめと評価必要が生じた場合の測定の立会い、その他モニタリングの技術的事項の検討です。この技術会は、学識経験者、県の職員、原子力発電所立地町の職員、関係町の漁業協同組合職員、東北電力(株)の職員で構成されており、現在は原則として四半期に一度測定結果の検討・評価等のため、協議会の開催に先がけて開催されており、評価結果を協議会で確認する仕組となっています。
環境放射能の測定
環境放射能の測定は、安全協定に定められた「測定基本計画」に基づき、宮城県環境放射線監視センターおよび東北電力(株)でそれぞれ実施され、お互いに測定結果を確認しあう体制がとられています。
空間放射線については、空間ガンマ線の線量率を連続測定するモニタリング・ステーションが11ヵ所(宮城県:7ヶ所、東北電力:4ヶ所)に設置され、テレメータシステムで常時監視されています。また、3ヶ月の積算線量を測定するモニタリング・ポイントが32ヵ所(宮城県:19ヵ所、東北電力(株):13ヵ所)に設置され、継続的な測定が行われています。
農作物や水産物、飲料水、土壌、海底土などについても、環境試料として定期的に採取・分析され、環境への影響がないかどうかが常に確認されています。
海水中の放射線については、発電所の放水口3ヵ所、放水口モニターが設置されており、中央監視局で常時監視されています。
監視データの公開表示
宮城県環境放射線監視センターで収集・解析された監視データは、当センターのホームページまたは女川町役場1階の町民の部屋、石巻市などのUPZ圏内各自治体庁舎、総合支所などの全16ヶ所に設置されている副監視局大型テレビモニターによって、リアルタイムで公開表示されています。
監視データ
宮城県環境放射線監視センター(宮城県:外部サイト)
温排水の調査
温排水の影響については、発電所の建設計画を立てる際に行われる「環境影響調査」によって必要な調査が行われていますが、建設後の温排水の調査・測定については「測定基本計画」に基づいて、物理調査と生物調査が宮城県と東北電力(株)双方によって実施されています。
物理調査は、水温・塩分調査、海象調査、水質調査、流動調査、底質調査、水温調査が行われているほか、気象状況も東北電力(株)により長年にわたって調査が続けられています。
生物調査は、宮城県で養殖生物調査を行っているほか、東北電力㈱により、漁業への影響調査としてプランクトン調査、卵稚仔調査、底生生物調査、潮間帯生物調査、漁業漁獲調査が実施されています。
環境放射能の測定は、安全協定に定められた「測定基本計画」に基づき、宮城県環境放射線監視センターおよび東北電力(株)でそれぞれ実施され、お互いに測定結果を確認しあう体制がとられています。
空間放射線については、空間ガンマ線の線量率を連続測定するモニタリング・ステーションが11ヵ所(宮城県:7ヶ所、東北電力:4ヶ所)に設置され、テレメータシステムで常時監視されています。
また、3ヶ月の積算線量を測定するモニタリング・ポイントが32ヵ所(宮城県:19ヵ所、東北電力(株):13ヵ所)に設置され、継続的な測定が行われています。
農作物や水産物、飲料水、土壌、海底土などについても、環境試料として定期的に採取・分析され、環境への影響がないかどうかが常に確認されています。
海水中の放射線については、発電所の放水口3ヵ所、放水口モニターが設置されており、中央監視局で常時監視されています。