- タイトル:山ガールデビューは女川で。
- 制作団体:てっぺんトーレ女川(役場秘書広報係)
- コンセプト:海もいいけど、山もいいじゃん。フレッシュな自然派女子が里山の魅力をお届け!
- 使用音楽:GOOD TIMES -I'm so free -(提供:はなP∞(外部サイト))
- 撮影機材:CANON EOS70D・EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM・EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
CM撮影場所となった黒森山については 体験するのページ をご覧ください。
きっかけ
女川ネイチャーガイド協会が、2016年に整備した黒森山の登山道。
この黒森山は女川駅のすぐ後方(北西)にそびえ、駅舎の屋根とその稜線が同じ角度だということもあって、町民みなさんに親しまれています。弓入沢コースでは、山頂までの登山道に第1~第3展望所が設けられ、復興が進む町中心部やコバルトブルーの海、はるか先には金華山までを見渡すことができるのです。
この山を、もっと多くの人に知ってもらいたいと、役場に勤める復興支援の応援職員ら山登りを愛するメンバーが集結し、黒森山登山をPRするCMを制作することになりました。
- 黒森山は標高約400mで、弓入沢コースは山頂まで1時間30分ほどで登ることができます。
- 黒森山登山については 体験するのページをご覧ください。
てっぺんトーレ女川
~CM制作チーム「大賞トーレおながわ」の山岳精鋭部隊「てっぺんトーレ女川」~
KHB東日本放送には、制作団体として上記の説明を添えて提出。
この「大賞トーレおながわ」とは役場総務課秘書広報係を中心としたCM制作チームのことで、実は、2015年度、2016年度と2年連続で同コンテストに出品していました。もちろん、町のサッカーチーム「コバルトーレ女川」にちなんだネーミングです。
同係は広報業務としてイベント等の写真撮影を担当していますが、動画撮影&編集は2015年度が初めて。
手探りの中、現場で知り合うテレビ局カメラマンの撮り方を見ながら研究し、カット割りなどを工夫して、2015年度は映像賞、2016年度は銅賞を受賞しました。
今回は、山登りがテーマということで「てっぺんトーレ女川」と名前を改め、山頂とKHB大賞の高みを目指すことになりました。
コンセプト、配役、絵コンテ
制作するにあたって、まずはCMのコンセプトを検討。
女川といえば海や活気あふれる港町、サンマの水揚げなどが知られますが、今回は山に特化した作品とし、主人公が山の達人たちに誘われ、女川の山を登って山ガールデビューする内容としました。
若手女子職員を主人公に、普段から山に登っているメンバーを山の達人として配役。実際の撮影にあたっては、カメラ撮影に長けた広報係が中心となり、監督・企画・絵コンテ・撮影・編集・荷上げまでを担当しました。定期的に山頂から町中心部を撮影していたためロケハンは行わず、1時間で大まかな絵コンテを描き上げました。
撮影裏話
撮影場所は、黒森山の弓入沢コースと奥清水渓流の森、そして女川駅周辺。撮影は9月中旬に行いましたが、あいにくの曇り空だったため、太陽光が欲しいカットなどは翌週晴れた日に再び登って撮り直しました。
というのも、今回こだわったのは美しい里山の風景。ブナやカエデで有名な栗駒山などには及ばなくても、里山には里山の魅力が、特に黒森山は自分たちの町を見渡せるという、ほかの山ではなかなか味わうことのできない特徴があります。映像が単調になりがちな登山で、清流や木漏れ日、ウクレレを楽しむなど、非日常感を意識しながら撮影しました。
また、撮影にはドローン等は使わず、実際に訪れる登山者目線での映像としました。
実は、CMに使用しているシーンは実際に撮影した中のごくわずかで、出演者が熱演しても、30秒にまとめるうちにボツになったシーンが多数あります。監督が映像美にこだわるあまり、何度も演技指導される出演者との間に微妙な不協和音が生まれていたのは、今だから言える話です…。
CMで使われなかったシーン
編集
そして、編集。
ソフトはWindowsパソコンに標準で入っているムービーメーカーとフリーソフトのVideoPadを使用。できるだけ素材のよさを生かし、音楽に合わせて軽快に場面を切り替え、シンプルに構成しました。
楽曲は、はなP∞さまの「GOOD TIMES ~I’m so free」という歌入りフリー音楽素材を使用。100曲ほどからCMの意図に合ったものを選び、ポップで明るい曲調と主人公のフレッシュな演技が絶妙にマッチしました。
注意したのは、山というCMのコンセプトをはっきりさせること。
女川の長所に海が挙げられますが、そこは「海もいいけど…」という一言に集約させ、達成感に浸って町を見渡しながらコーヒーを飲む表情に間を取り、余韻を持たせました。
町長以下、音楽好きの多い役場職員の厳しい音声チェックをくぐり抜け、編集手直しをすること数度、皆が納得する作品に仕上がり、出品することができました。
金賞を受賞して…
宮城県民に広く親しまている「みやぎふるさとCM大賞」。金賞受賞後は、たくさんの方に「おめでとう」と声をかけられました。
女川ネイチャーガイド協会が毎日数十メートルずつ切り開き、整備した登山道を、もっとたくさんの人に知ってもらいたい。その想いから、黒森山に登るたびにCM撮影を想像し、温めていたのがこの作品です。
「自分たちの町を見渡す」、これ以上のふるさと自慢はないですよね。
企画に1日、撮影・編集にそれぞれ2日、のべ5日という短期間の制作でしたが、出演したみなさんの素敵な表情、そして女川の山の魅力がうまく引き出せたのではないでしょうか。このCMが、少しでも女川のにぎわいにつながれば嬉しく思います。
いつか、黒森山が登山客でいっぱいになりますように。
【てっぺんトーレ女川(役場総務課秘書広報係)】