女川町誌 続編
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ことが判明した。防潮壁方式による港湾機能の低下を考え合わせれば、防波堤方式の有利性はだれの目にも歴然としていた。 最終的に、チリ地震津波対策審議会が本町の要望を入れて、防波堤方式に変更決定するに至ったことについて、この実験結果報告書の力が大きく作用したことを忘れてはならない。 以下、町議会に提案された実験委託に関する議案、加藤教授から県への要請書、及び実験結果報告書の抄録を記載する。 議案第一九号 津波対策事業効果の実験委託について (三十五年九月六日) 津波恒久対策事業として要望中の女川湾防波堤築造についての効果を推定するため左記により模型実験を東北大に委託するものとする。 記 実験の名称 女川湾の津波対策としての防波堤の効果についての模型実験 委 託 費 一金 拾万円也 担 当 者 東北大学理学部 教 授 加藤愛雄 助教授 鈴木次郎 同 中村公平 加藤教授から県への要請書 昭和三五年八月二九日 東北大学理学部地球物理学教室 教授 加藤愛雄 宮城県漁港課長殿 今般チリ津波恒久対策研究会において女川湾及気仙沼湾の防波堤築造について、その効果を推定する必要が生じましたが、その推定には模型実験によって推定することが最も良いと存じますので、右両湾について左記により模型実験を致したいと思いますので、右実験費用についても関係市及び町当局に夫々交渉して戴きたく存じます。 一 女川湾の津波対策としての防波堤の効果についての模型 42
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