女川町誌 続編
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年は浜は大漁、陸おかは満作につき万才をやろうと思うが、知っておるかナ。 才蔵=知っておるとも。万才の数多ければ、表八万、裏八万、双方合わせて十六万才など知っております。 太夫=そのうち上り下り・・・・は(上方かみがた東北) 才蔵=会津万才、若松万才、道化万才など知っております。 太夫=おう、その道化万才を知ってるかな。 才蔵=ハイ知っておるとも、後先はちょっと忘れましたが。 太夫=中程は。 才蔵=かる・・きりさ・・・っぽう・・・(全然、さっぱり)存じません。 太夫=知・ら・じら・・ならば・・・(知らなかったら)、太夫の声先に従い。 二人=あら、丹波たんばの年取る・・・初め・・の・あした・・・(元日の朝)より、枝も栄える、木の芽さす昔の行ぎょうは難波なにわの行よ。今なる行は天下太平、平たいらの行よ。七なな浦に七なな恵比寿えびす、七福神を渡らせたんも。 太夫=これから才蔵、目出度い所をはやそうナ。 才蔵=目出度い所と申せばネ、門には門松、背戸には背戸松、内には七五三の〆しめ縄なわをバラバラ生えたが、太夫さまヤ。 太夫=それに続いて才蔵らの舞・わ・りょう・・・が・よければ・・・・(踊りが上手なら)、この方の旦那だんなさまよりお祝いなど下さるナ。 才蔵=ご祝儀と申せばネ、大判に小判、白銀しろがねにたん・・じゃく・・・(短冊=七分銀)ナ、箕み持ってすくりこめ、升ますもてはかりこめ、五斗入りの俵に、三・どこ・・(三か所)三丸引んまるって、こっちの家の床・(床とこの間)の前さ山のよう 434
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