女川町誌 続編
442/596

きい方がオオマツヨイグサで花の小さい方がアレチマツヨイグサである。アレチマツヨイグサは葉に注意して見ると、真ん中にある太い脈が赤味を帯びているので、その点でも区別が付けられる。なお、私はこの地方でオオマツヨイグサとアレチマツヨイグサはよく見ているが、マツヨイグサ(多年生のもの)はまだ確認していない。また、本によっては全部多年草のように書いてあるのがあるから迷わないようにする必要がある。 〇九月十五日(火曜日 敬老の日) 私は外見上は健康そうだが、軽度のものながら二、三の成人病があり、高血圧もその一つである。今日は敬老の日であり七七歳の私も敬老会に招待されているのであるが、大勢の人が集まっている中に行くと色々と刺激を受けることが多く、高血圧患者にはよくないので、今日も甚だ失礼だとは思いながらも敬老会の方は欠席し、秋空の下で例のように山道を歩くことにした。道端の湿地に直径三 センチメートルくらいの冴さえた黄色の菊のような花を付けている野草を目にし、サワオグルマ(菊科)ではなかろうか、と思ったが、図鑑で調べてみると、サワオグルマは七、八月ごろ咲くように記載されているので多少の疑問を残した。 次に淡黄色であまりきれいな花ではないが、一㍍くらいの茎の上に多くの枝を出し、その上に多数の径二 センチメートル内外の花を付けているのがアキノノゲシ(菊科)である。タデの類が数種見られたが、ハナタデ(タデ科)・シロバナサクラタデ(タデ科)・イヌタデ(タデ科)等を採集した。細心の注意をはらえばもっともっと多くの種類があるものと思われる。なお、今年五月一日に大六天に登り、針浜山まで行った折に正体不明の野草を掘ってきて観察したところ、気候のせいか最近今年第二回目の花を狂い咲きで見せているので色々調べた結果、これもタデ科のハルトラノオであることが判った。 410

元のページ  ../index.html#442

このブックを見る