女川町誌 続編
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中心に「古文書を読む会」が町民有志の手で結成され、木村家の古文書解読が進められている。その成果は「女川町文化財だより別集」として平成二年度までに第五集までが印刷、出版されている。「当人数御改帳」からは、離島における当時の人口構成がはっきり浮かびあがるなど、郷土史上、資料価値は高く評価される。 六 指定外の文化財 ⑴ 方孔石 本町の尾浦・竹浦方面の海岸で、ひし形に穴のあいた小石を拾って家に持ち帰った思い出のある人も少なくないはずだ。この穴あき石が、方孔石の名で地質学界に報告されたのは明治三十四年(一九〇一)のことであり、たまたま仙台を訪れた地質調査所技師大築洋之助がこの石の存在を知ったのはまったくの偶然であった。この石の穴の成因について氏は、穴はもともとそこを埋めていた玄げん能のう石が、長い年月の間に溶け去ってしまったものだろ 397

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