女川町誌 続編
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⑷ 球状部の形状と構造(図2参照) 球部の形状は円球状が多く、卵形、楕円形がこれに次ぐ。しばしば二つの球が接合した場合と考えられるマユ玉形 のものもある。球形は三~四 センチメートルのものが圧倒的に多いが、見かけ上小さく見えるものの大部分は実のところ、球心からはずれた部分での断面を見ているのであろう。したがって、平均径約四 センチメートルくらいと解される。本岩を割るか切断して新鮮な面で観察した場合には、球状の構造はあまり明瞭には現れない。これは、①同心球構造が発達していないか、あっても微弱であること、②球部と石基とで岩石そのものの相違がほとんどないためである。顕微鏡観察によれば、両者の境界は一般にギザギザしており、粒度の差、角閃石の色の相違等があるにすぎない。 球状の内部構造は、鉱物の粒度変化や配列の具合から次のように分類できる。 ⓐ 周緑部が細粒斑れい岩、中心部が中粒斑れい岩からなり、鉱物の配列は各々無秩序。ただし多くの場合、周緑細粒部には弱い球心部へ向かう放射構造が発達する。 389

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