女川町誌 続編
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部が最下部白亜系を貫いていることなどから、間接的に判断すると、白亜紀有田世未と考えられる。 笠貝島斑れい岩体は四つの岩型といくつかの岩脈、捕獲岩ブロックより構成される。各岩型とも単斜輝石普通角閃かくせん石でそれぞれの主な特徴と分布は次のとおりである。 岩型Ⅰは径五 ミリメートル前後の単斜輝石の等次元状結晶に富み、島の西部に分布し、また捕獲岩として岩型Ⅳ中に点在する。普通角閃石のかなりの部分はウラル石化している。 岩型Ⅱはやや優白質を呈し、島の南部に分布する。岩型Ⅰと接するあたりでは局部的にカンラン石と斜方輝石が含まれ、南東部はより優白質で、部分的に層状構造(リズミック・レーヤー)が発達し(南側が上位)、斜長石間に石英を伴ってくる。 岩型Ⅲは五 ミリメートル前後の斜長石に富み、島の北部に分布するが、北側に向けて斜長石の粒径と量比が増し、最北部では径一 センチメートル前後の斜長石の局部的濃集が見られる。組成は均質であるが、不均質な消光や結晶中の割れ目にそう細粒化が見られ、晶出後外力が加わったことを示唆しさしている。 岩型Ⅳは斑れい岩質ペグマタイトが卓越し、部分的に球状構造が発達する。主として斜長石、普通角閃石よりなり、少量の単斜輝石、磁鉄鉱を伴う。斜長石は他の岩型中のものに比べて細粒で、半自形均質で角は丸まっている。 ⑵ 各岩型の相互関係 岩型Ⅳは岩型Ⅰを捕獲岩として有し、これに再結晶作用を及ぼしており、部分的に球状構造が発達する。岩型ⅣとⅡはシャープであるが不規則に曲がった境界面で接し、互いに熱変成を及ぼしていない。岩型Ⅱには境界面に沿って境界面側を上位とするトラフ帯構造が見られることから、岩型Ⅱの未固結時に岩型Ⅳが迸入したものと考えられる。 387

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