女川町誌 続編
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第六節文化財一国指定天然記念物◎陸前江島のウミネコ及びウトウ繁殖地ウミネコとウトウについては『女川町誌』第十編第四節に詳しいので、ここでは重複を避けて補説を試みる。⑴ウミネコウミネコはチドリ目カモメ科、カモメ亜科の鳥で、カモメの代表的な種類である。英名Black Tailed Gullは、他のカモメとの識別ポイントのひとつ「尾羽の末端に近く幅広い黒帯がある」ことから命名された。宮城県内で一〇種類以上も見られるカモメの中で、周年観察されるのはウミネコだけで、他のカモメ(カモメ・ユリカモメ・オオセグロカモメ・シロカモメ等)は晩秋から初夏まで越冬のために渡来する渡り鳥である。他のカモメ類との識別には和名を生んだ「ミャオー、ミャオー」という鳴き声も有効とされる。なお、一般にはカモメの語は海上で見られる白い鳥の総称として、広義に用いられる。⑵ウトウウトウはチドリ目ウミスズメ科に属し、翼長一七~一八センチメートル、全長約三八センチメートルと他のウミスズメよりはかなり大きい。繁殖地としては本邦太平洋岸では足島がほぼ南限と考えられる。繁殖期(四~八月)以外は海上で生活するため、382

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