女川町誌 続編
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観測所に設置され、昭和五十五年に次に述べるERI―V型に置き換えられるまでの一八年間、当所での津波観測の主力をになってきた。 さらに臨時的に海底に設置して、一か月程度の短期計測に供するために開発されたERI―SM型の津波計は、濾波器として直径二五 センチメートル、長さ三五 センチメートルほどの空気室を備えたものであった。これらの装置を用いて昭和四十七年(一九七二)から昭和五十年にかけて、女川湾、雄勝湾からなる海域の水位変動の特性が測定された。その結果女川湾では三六分周期の湾軸方向の基本振動が卓越して見られるほか、第一高次副振動である一五分周期の水位変動が固有振動として現れることが判明した。このような固有振動は津波以外に、秋から冬にかけての北西の季節風によっても誘発されることがあり、小乗浜での実験ではこれによる一〇 センチメートル前後の水位の上下動がよく現れることが指摘された。 いくたびかの試行錯誤ののち、相田勇博士らの努力によって、昭和五十六年(一九八一)に長波計測装置「ERI―V型津波計」が開発され、当所の検潮井戸内に設置され、以後今日に至るまでこれによって津波の常時観測がなされている。この装置は、水位受感部としてディジタル式圧力受感部が用いられ、三〇秒間隔、六桁の精度で水位が記録される。記録は、パーソナルコンピュータでもデータ処理が可能な八インチのフロッピーディスクに書き込まれる。また、刻々の水位変化が監視できるように、旧来と同じ形での自記紙記録もなされている。 378
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