女川町誌 続編
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穴住居跡を思わせる巣穴群の景観はそれだけでも一見の価値がある。生態を撮影したビデオ、写真、剝製などの展示、将来的には飼育にまで及ぼせば、本町最大の目玉になるのは疑いない。有志によるウトウ研究会といった組織の誕生を期待したい。オオミズナギドリについては足島における生息が専門家によって指摘されている。町文化財保護委員会ではまだ確認をしていないが、確認されればこれもまた貴重な資源である。 ⑵ 方孔石 この町の立つ大地がほぼ二億年前の生成であること自体は、三陸海岸の中では新しい方に入るから、格別のことはないかもしれない。だが、極めて限られた地層から産出される方孔石は、希少価値が高いうえ、産地として良好な状態が保たれている点で本町の右に出る所はない。益富寿之助著『昭和雲根誌』で昭和の奇石として紹介され、成因もまだ解明されてはいない方孔石について、近年、女川高校地学部がその分布や成因などについて興味深い研究を発表している。山形県鮭川村で発見された新第四紀の地層から産出する巨大な方孔石と併せて展示すれば、郷土資料館の特色のある資料となるはずである。 以上のほかにも、疑義は残るが、すでに広く世に知られている「出島配石遺構」、その中に発見され、「アスファルトで石英小片を接着させた」と報告された巨岩、夏浜・小屋取の鳴り砂、針浜金山跡にあったはずの石臼なども、光をあて活用を考えるべき文化財である。 観光振興の方策としてこれまでに試みられてきた一つにイベントがある。長い歴史を持つ港祭りを筆頭に、年末の恒例となった水産祭りなどすでにかなりの実績を上げ、定着もしており、今後の工夫と努力により、さらに大きな成果が期待される。反面、マリンフェスタのように町民から期待された新しい企画が、わずかな期間で廃止に追い込ま 288

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