女川町誌 続編
292/596

パンのように独創的な新商品の開発もあり、ほかにも時代感覚を追って意欲的な経営に努めている例はある。組織的な活動としては、商工会青年部が中心となって昭和六十二年に実施した「マリン・フェスタ」をはじめ、イベントによる活性化を目指しての活動も精力的に試みられてきた。そうした事例から考えると、本町の商業人は少なくとも活力の点では、決して他にひけを取るものではないといえる。このみなぎる活力を焦点化するためには、①本音をぶっつけあう、民主的な徹底した討論、②コンセンサスを確立するための努力と、小異を捨てて大同につく度量の広さ、③多少の失敗があっても、改善に努めながら継続を図る粘り強さが不可欠となろう。 地勢からみて商圏の拡大が望めず、人口減少の阻止も極めて難しい本町の場合、商業の振興は観光を抜きにして考えることはできないといわれているが、そうした考え方の是非を含めて、業界挙げて新しい世紀に向けての振興策を検討し、策定すべき時期にある。 女川町商工会 任意団体としての女川町商工会の創立は昭和二十二年にさかのぼるが、昭和三十五年八月、「商工会の組織等に関する法律」が施行されて、国・県・町から補助金を交付される法人組織の非営利団体として、通産行政の中に明確に位置づけられた。 商工会は都市の商工会議所に相当し、町村における商工業の総合的な改善・発達を目的とする。会員の資格は引き続き六か月以上その町村で営業している商工業者で、事業内容は商工業の指導・連絡、情報の収集と提供、調査研究、展示会の開催、技能の普及・検定などとなっている。 過疎に悩む地方町村が活性化の道を模索し続ける現在、商工会には、業界のための組織としてだけではなく、町・ 260

元のページ  ../index.html#292

このブックを見る