女川町誌 続編
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かったように思われる。それだけにいっそう、小松さんの不屈の努力が、アワビ真珠にまさる輝きを示すことになるともいえるであろう。 小松さんの成功がわが女川町の誇りであることはいうまでもないが、ひたすらに夢を追い続けた小松さんの情熱と、苦闘の跡を長く子孫に伝え、生きた教材として大事にしていくことにこそ、より大きな意義があるのだと思う。なお、小松さんの養殖アワビ真珠成功までの苦心は、雑誌「五年生の学習」(昭和四十年一月号)をはじめ、数々の雑誌、広報誌などによって広く世に紹介されている。 第二節 水産加工業 一 水産加工 『女川町誌』では主な水産加工品の筆頭にカツオ節を挙げ、以下練り製品、缶詰、乾燥、塩蔵、魚うお粕かすと続けている。 統計資料を添えていないので詳細は不明であるが、生産量、売上金額ともにカツオ節(なまり節を含む)が群を抜いていたことは間違いない。チリ地震津波以降の約一〇年間は、加工製品の種類にも生産高順位にも大きな変化は見られなかった。 昭和四十年代に入ると、手軽な化学調味料が広く普及し始め、ハナカツオの製造に大手の食品製造企業が参入するようになり、価格と手軽さの点でこれらと太刀打ちのできない本来のカツオ節は徐々に一般家庭の需要を減じていく。 236
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