女川町誌 続編
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本町の伝統・基盤産業である水産業を、漁業(生産)、水産加工業(製氷・冷凍を含む)及び流通(魚市場)に分けて、広義にとらえ、統括的な概観の記述を試みた。 第一節 漁業 一 遠洋漁業 女川第一中学校校舎の玄関を入ると、誇らしげにカツオを提げた中学生を中央に漁港女川を描いたタイル壁画が目を引く。昭和五十六年制定の「町の魚」もカツオである。一中の校舎が建築された四十三年当時、カツオはまだ名実ともに「町の魚」ということができた。しかし、「町の魚」制定の時点では、カツオを主流とする本町遠洋漁業界は、すでに苦難の時代を迎えており、水産加工の分野でも伝統のカツオ節製造は昔日の隆盛の面影を失っていた。カツオの「町の魚」指定には、町民の懐旧の情と「栄光よ再び」の悲願がこめられていたのである。 図1は、「伝統漁撈をめぐる社会化」をテーマに、江島島民との親 196
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