女川町誌
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の彼岸から後は稲妻の方へ風が吹く。南の沖に雲が湧けば波が来る。雨上りに風になつても空一面曇つてる時は大風にはならない。 北東風こちにしぐれがあるならば、お寺に神楽がとだえない(こちが吹き始めたなら、しぐれ位におさまることは絶対ない、油断するな)春の雨一粒は風千石を吹かせる。(春の雨が一つぶ降つても今に風が千石吹いて来るぞという意味で、間もなく突風のおそれがあるということ)九月頃から三月頃までは月の出、月の入りには吹いてる風は凪ぎ、凪ぎてる風は吹き出す。春雪は掃いて乗れ。(春雪はあとの心配がないから船を掃つてすぐ乗り出せという意)春は南街道、秋は北街道(春は南方秋は北方が曇れば風が吹き出す。沖で測ればよくわかると)北東風のテッカリ姑の笑、共に油断をするじやない。(こちが吹き出したら晴れていても油断するな)朝に北風、宵いなさ(東南風いなさ)お米のごはんで上肴、茶碗でひや酒タントタント。(朝に北風宵にいなさが吹くようならば豊年大漁だ)朝露、朝霜は上日和。島の南で波鳴りすれば近く南の風、東の方で波鳴りすれば東の風が来る。(江島)大雪の後には風がなぎる。島や山が近く見える時は雨が近い。いぬいかんだちと常じょう南みなみは天気がよい。一つかんだちは船に乗る。(かんたちが船にのる即ち暴風になるぞ。)地震の時刻と天気について五七の雨。四つ八つは世のさわぎ。(風吹く)九はやまい(変る)。六つひでり。備考五つ=八時九時。七つ=四時五時。四つ=十時十一時。八つ=二時三時。九つ=十二時一時。六つ=六時七時。地震があつたら津波が来ると思え。(昭和八年三月三日の津浪後の標語)井戸水が急にひくと津浪が来る。地震の後にキジが鳴かないと津浪が来る。大雪は豊年の兆。寒九の雨は豊作の兆。からすが水浴びする時は雨が降る。上げ潮に生れた子は丈夫に育つ。慧星が出ると戦争がおきる。雷が強い時はカヤの中にはいれ。地震の強い時はマダラクマダラク、雷の時は桑原々々と唱えれば災難はさけられる。(マダラクは正しくは万歳まんざい楽らく)猫があれさわぐと、あらしになる。B俗信迷信等に関するもの⑴弔祭に関するもの888

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