女川町誌
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第十編江島・出島第一章江島の地誌第一節江島の概観女川湾の前面海上に散在する江島列島は、江島を始め二股島・平島・小島・蛇島・恋の島・南小島・荒藪小島・足島・笠貝島その他多数の小島嶼から成り、何れも女川町に属している。列島中の主島である江島は、南北約五町・東西七町・周回約三十町・面積三万九千坪余りの小島で、島内には平地が無く、中央部は稍々高くして、海岸への勾配は極めて急なので、之を切崩し辛じて人家を建てている。従つて河川や池沼はなく、ただ三か所に水の豊かな井水があり、僅かな畑と松や椿の木立がある。海岸は概ね断崖をなし、この間に四か所の船着場があるに過ぎない。船着場として最も広い所は北側で、江島聚落の下にある入江である。ここには桟橋も設けられてあるが、常に波浪が荒く、一朝風波が起る様な時は、安全な碇泊が出来ないので、女川港に避難しなければならない状態である。江島は戸数百五十戸、人口千二百五十余人で、島内に小学校始め中学校・郵便・電信・電話局があり、一日一往復833
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