女川町誌
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神殿、登山道路の老樹と岩と清水、頂上よりの太平洋及び三陸海岸一帯の眺望、更に裏山巡りの燈台・千畳敷・千人沢・大函崎等の景観、実に枚挙に遑がない。これを季節的に見るも、春の若葉、緑したたる真夏、満山紅葉の秋などのそれぞれの景趣はともに豊かである。二、牡鹿半島県立公園の景観牡鹿半島一円の風光が、県立公園として指定されたのは、昭和二十二年五月のことである。牡鹿半島県立公園とは、石巻市を始め、リアス式海岸に臨む牡鹿郡の全町村と桃生郡の東部を含む広大な地域で、わが郷土女川町はその中心部をなしている。リアス式海岸の特色は山岳・島嶼・岬崎・港湾に富み、山は海岸に迫つて断崖をなし、港湾は深く陸地に湾入して水清く、半島長く海洋に突出して灯台の輝きあるなど、到る所景観に富む一大公園地域である。牡鹿半島はその代表的海岸で、特に牡鹿半島の突出と霊島金華山の偉容、江島列島の観光資源、それに石巻・女川・渡波・鮎川などの各港湾の文化的施設と海陸交通の至便とは、三陸随一の海岸公園をなしているのである。女川町は名実共に牡鹿半島県立公園の中心部に位しているので、今後の観光各種施設や町民の理解と努力とにより、更に明るい女川町の建設が営まれるものと見られる。832
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