女川町誌
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第九編観光・名蹟第一章女川町の観光第一節女川町の観光事業一、観光事業の進展わが国の国際観光事業は、終戦と共に復活し、ここ十数年間の歩みは国際収支に大なる比重を示すようになつたが、更に国内観光事業に至つては実に驚くべき盛況を見るようになつたのである。その原因は種々あるとしても、戦後国民思想の激変と経済界の好転とが根本をなしているものと思われる。即ち政府は戦後国民厚生施設とこれに伴う観光施設に力を注いだことは観光法規の改正のみでも窺うことが出来る。我が国の国立公園法は昭和六年四月一日制定されて同十六年に改正されているが、終戦後は二十四年・二十五年・二十八年と連続三回、施行規則に至つては八回も改正されていることは即ち時代思想と政府の関心とを物語るものと言える。又国民は長年月に亘る戦時体制下におかれ耐乏生活をして来たのであるが、終戦と共に各方面に自由となり解放となつた折りも折り、産業界の回復進歩が著しく国民の経済力が急速に高まつて来たので、健康と慰安とを求める思想が観光事業の発達を来したものと思う。817
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