女川町誌
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昭和八年六月三日の大海嘯の際、石巻測候所及び仙台出張所では強震を感じた。その観測は次の通りである。石巻測候所仙台出張所最大動―二十二粍五発震時 総震動時間続震多し二時間以上 震度強震強震初期微動時間二十二秒二三十三秒二性質緩緩震源は金華山沖、東北東約二百八十粁の三陸沖であつて、東経百四十四度七、北緯三十九度一の、本郡東方海上に横わつているタスカロラ海溝の極めて深い箇所に発生したものである。三、東北大向山観象所の観測東北大学の観測(地球物理学教室)東北大学理学部地球物理学教室所属向山観象所(仙台市越路町八木山)に於ては、微動計、倍率二倍の強震計共に描針紙外に逸し、或は重錘支柱に衝突して用をなさないようになつた。従つてその最大震幅の絶対値は求めることは出来なかつたが、全振幅以上に達していることは明である。しかし振動の周期が極めて長く四乃至六秒以上であつて、これが為の震度僅に六〇〇乃至七〇〇粍2秒即ち震度〇・〇六乃至七前後であつた。木造建築物を倒潰せしむるにはその半に達したに過ぎない。地震観測の要点は次の如くであつた。一、発震時三月三日午前二時三十一分四十二秒四一、最大振動(全振幅)東東北八十四粍以上―東西四十七粍以上一、初期微動継続時間(P―S)四十秒七一、総継続時間一時間以上一、震度強震(強き方)一、性質緩一、震源地仙台の東北三百粁三日午前二時三十三日午前二時三十一分四十秒一分四十四秒796

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