女川町誌
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第五節気候・季節一、女川地方の気候石巻市を中心とする牡鹿郡地方は、西南は仙台湾に臨み、東は太平洋に面しているので、気候は多分に海洋性をおび、年間を通じ内陸地方に比し、概して温和である。夏季の最高気温は三十度(摂氏)を超えることが少なく、また冬季の最低気温も零下二・八度を下らない。従つて四季の平均気温も大体春は九度、夏は二十一度、秋は十四度、冬は四度で、十月下旬より十一月にかけて初雪を見ることがあり、四月上旬に至つて終雪となるのが普通である。かく気候が温暖であるが故に積雪が少く、且つその溶解も早いのである。雨量は一年間の総量が概ね一〇、〇〇〇ミリで、夏季が最も多く、秋春両季が之に次ぎ、冬季が最も少ない様である。風向は一般は冬季間は北乃至北西の風が多く、夏季に於ては南乃至南東から吹いて来るのが常である。颱風の襲来は県内の各地域と同様に、夏秋の候に多い。なお颱風以外の強風は稀で、雷鳴の発生も内陸山間部に比して少い。本町地域に於ける気候は石巻地方と略々同様で、風の方向などの点に多少の相異があるに過ぎない。次に女川地方10

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