女川町誌
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第二節七十七銀行の設立一、国立銀行設立の計画明治初年頃仙台地方には、金融機関として三井・小野組などが活動していた。第一国立銀行が創立し、明治九年十二月にその出張所が石巻と仙台とに置かれ、三井組の出張所も設けられた。ところで、明治九年禄制廃止により、それまで残つていた有禄士族四、六八一人に対し、金禄公債一二〇万円餘が交付されることになつた。この士族の金禄公債を生かし、士族の生活を安定させる試みが幾つか現われたのは当然である。その一つとして同十年一月早くも国立銀行の設立計画があり、また同じ頃士族会議が開かれ、その事業として国立銀行を計画するということになつた。明治十年一月三十一日に宮城県士族遠藤温外四名が国立銀行設立を計画し、条例の特例によつて、五万円を資本金として案を練り、八月十八日附で、発起人七名連署して左記の創立願書を提出した。510

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