女川町誌
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九・三%、一隻五人は六・四%である。家族労働力が一人である場合は一四・九%であるが、その内一三・一%だけが家族労働力のみによつて操業され、残りの四・八%は家族労働力以外のものが傭われて乗つているが、あるいは船賃を持つているのである。家族労働力二人の場合は三八・二%で、その内二八・六%が家族労働力だけで操業され、残りの約一〇%は家族労働力以外の漁夫が雇われの形式、あるいは舟賃を払つて乗つている。同様に三人の場合は三二・〇%で、その大部分は家族労働力だけで操業されている。家族労働力四人の場合は九%でその内七・四%が家族労働力だけで操業され、一・六%が世帯員以外の労働力によつておぎなわれている。同様五人の場合は二・九%でそれは全然雇傭労働力によらず、全員家族労働力によつて操業されている。この数字から見ると無動力船一隻によつて経営されている「サッパ」漁業形態においては、(1)世帯員の労働力のみで漁業する漁家は八三・四%、(2)世帯人員以外の労働力を一人雇傭するかあるいは舟賃を持つて乗つている労働力である場合は一〇・二%、(三)二人の世帯員以外の労動力が乗組んでいる場合は四・二%、(四)三人の世帯員以外の労働力が乗込んでいる場合は一・二%、(五)四人の世帯員以外の労働力が乗込んでいる場合は一・〇%である。結論としていわれることは、「サッパ漁船」の労働力構成はその大部分(八三・四%)は家族労働力に依存している。家族労働力以外がこれに参加しているのは僅かに一六・六%に過ぎない。この事実に立つて見ると、女川の漁業の基盤を為している零細漁家としての「サッパ」という漁業形態は家族労働の上に成立している。従つてその労働条件は極めて低劣である。その漁業生産技術は慣行的で原始的である、そしてこの低生産性と家族員数の七・七という 393 393
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