女川町誌
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註、女川町には漁業協同組合連合会はなく、県下一円の宮城県漁業協同組合連合会に対し各々単独にその傘下に入つている。このように僅か総世帯数二、九〇〇戸、人口約一七・〇〇〇の漁業を主体として出来ている小さな町に、合計八つもの協同組合が作られていることも、たしかに女川の一つの特色である。しかしこの特色は、他の多くの漁村に見られると同様に、多分に封建的な勢力の残存をその培養土とする地方小資本経営が発展し、それらの小資本がそれぞれの漁場と、組合員とを支配しつゝ互にしのぎをけづり合つているという事実を物語るものである。宮城県の漁業協同組合連合会はこゝに出張所を持ち、女川魚市場を経営し、更にその冷凍工場(日産二〇トン、蓄氷量二・〇〇〇トン、凍結能力一〇トン、冷蔵量三〇〇トン)を経営している。この他に女川には日産九五トン、冷蔵量一・〇三〇トンの木下工業、女川日産二〇トン、冷蔵量二六〇トンの東部鰹鮪組合・女川冷凍工場がある。即ち製氷能力に於ても、又冷蔵量に於ても、組合の製氷冷凍設備は、私的資本経営の約五分の一に過ない。殊に注目すべきことは漁船の燃料であるが、女川の協同組合のつかう燃料の全部は、協同組合自身の手では一滴も取扱われていない。重油においては日本漁網・亀井商店・阿部喜商店・岩城屋商店・塩釜商会364
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