女川町誌
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北水産株式会社宛に書面が出されている。「紛擾は将に争議化せんとする」と書いて「徒らに紛擾を継続するに於ては、入津漁船に影響を及ぼす等の事有之候ては是こそ真に当町の死活問題に候」と、円満解決を希望している。時の町長は松川豁氏であつた。昭和五年四月十四日町側と東北水産株式会社と相談したが折合着かなかつたので、各代表委員は十七日出県して知事と菅原英伍氏とに一任して決裁を仰ぐ事にした。その結果は即ち昭和五年より五か年間は毎年金壱千円づゝ、爾後五か年は会社の株主に対する配当金の総額に対し配当率に依る額を以て定めることに知事の裁決があつたので双方異議無く承諾した。それから事も無く五か年を経過した。昭和十年十一月十五日女川振興座談会や同十一月十七日女川町産業振興会に、又々町営魚市場説が出た。是が民衆の与論とも見る可きものであつた。昭和十年十二月二十一日町会議員十三名連署を以て、次の通り建議書を時の町長須田金太郎氏に提出した。建議書女川町公共的利益ヲ図ルト共ニ、永久ノ財源ヲ得ン目的ニテ女川町営魚市場ヲ施設スルモノトス右建議ス理由女川町魚市場町営問題ニ関シテニ昭和十年十一月十五日開催ノ女川振興座談会ニ於テ集会者ノ満場一致希望スル所ナリ、又同年十一月十七日女川町産業振興調査委員会ニ於テモ異議ナク決議セラレタリ今ヤ本町ハ女川鉄道ノ着工ト相俟チ漁港トシテ諸般ノ施設急ヲ要スルモノ多々アリ、従ツテ予算ノ膨張モ止ムヲ得ザル所ナリ、此時ニ於テ本町振興発展ヲ図ルト共ニ本町永久ノ財源ヲ鞏固ナラシムルタメ、本町営魚市場ヲ施設スル理由ナリ昭和十年十二月二十一日343
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