女川町誌
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品が頗る多く、当業者の改良進歩に資する事が少くなかつた。八月二十五日小乗浜に於て若布製造講習会を開催し伝習せしめた。大正五年漁船改良補助申請認可四名に達し、遠洋漁業の将来誠に多望の趨勢であつた。また沃度の原料である細布は、近年需要が夥多で本村沿岸地方の生産は実に多かつた。大正七年石油発動機を据付けた漁船が近年著しく増加し、また本年中に国庫補助を受けたものが五名、県の補助を受けたものが八名に達し、尚益々増加の傾向であつた。大正八年節製造教師四名を配置し、改良指導の任に当らしめた。石油発動機漁船は近年著しく増加し、尚増々新造の傾向がある。従つて石油の騰貴は事業上少からざる影響を見た。 昭和四年磯村氏の投資により、大正十三年より昭和四年まで修築せられた女川漁港は防波・船着場・市場・金融機関等も備わり、漁業の発達を著しく促進した。昭和六年水産の発達は漁業組合の活動に俟つべきものが多々あるので、組合事業の改善に意を用い、技術員をして之が指導に当らしめた。而して出島組合に於て漁業低利資金壱万八千円、失業者救済資金五千円を借入れ、揚操漁業施設を行つた。又飯子浜漁業組合に於ては失業救済資金二千円を借入れて筒伏網の施設をした。昭和七年水産業の発展は漁業組合の活動に俟つべきもの多いので、技術員をして指導奨励に努めしめ、漁業組合低利資金の貸付に依り、共同施設事業として鋼製大型漁船の建造、鰮揚操網及筒伏網鮫刺網養蛎等夫々設備せしめ、其の実績の向上に務めた。又漁船々長養成のため、航海術・天測講習会を開催した。また鰹節削職工自給自足のため之が養成講習会を開催し、何れも所期の目的を達成した。昭和八年遠洋漁業奨励木造大型漁船三隻を進水し、何れも好成績を挙げた。沿岸漁業に於ては鰮揚繰網漁業の有望なのに鑑み、漁業組合を指導奨励し、低利資金弐万七千円の融通に依り塚浜・尾浦・御前浜・指ヶ浜等の漁業組合に設備せしめた。時局匡救農業土木事業としては、江の島漁業組合に於ける船溜船揚場事業等の夫々を完成し、所期の目的を達成せしめた。築磯工事に於ては飯子浜・野々浜・大石原浜・横浦・高白329

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