女川町誌
324/1094
対し、衷心より敬意を表して止まない。 三、道路改修費補助の請願 明治二十九年三月、鷲神部落民の総代木村喜八氏より、当時の村会議長木村慶五郎氏に対して、左記の様な道路改修費補助の請願書が提出された。この請願によると、去る明治二十七年に石巻より当浜十文字に達する道路の改修工事が完成したので非常な便宜を感じている。然るにこの道路に接続する要路が旧時の様に凹凸な狭隘の道となつていた。そこで村民一同協議の上この道の改修工事に着手したが、工事半にして予算全額を費消した。従つてこの工事完成するために要する全部の工事費を分担することが出来ないから、その費用の幾分を村税を以て補助されたいとの請願であつた。 ⑴ 道路改修費補助の請願 石巻町より当浜字十文字に達する道路の改修工事が、去る明治二十七年にその功が完く成り、以来車馬の行通貨物運輸の便は実に昔日の比にあらず、然るに十文字より当浜木村豊治宅前に達する道路は近程の所なれども、一昨年竣工せし道路に接続して便否の関係を有する要路なり。然るに斯の要路にして尚ほ旧時の凹凸狭隘且つ破損せる近程の道路を依然改修せざるに於ては、当浜は勿論公衆の不便を感せしむること尠からざる為めに、是れを改修して公衆の利便を計るは当浜民の務むべき所なりと信ず。浜民壱統協議の上右道路改修すべきことに議決し、昨年之れか改修工事に着手せしめ其の工事半ばならざるに予算の金額を費消し、為めに負担を重ねざるを得ざるに至る。 然りと雖当浜民の貧弱なる微力尚ほ能く負担に堪へ継続して工事を完成することを得ず、遂に工事を中止したり然れども此の儘中止し置きたらんには、漸次にして道路に破損を来たし旧時の如く不便を感ずること論を俟たざるなり、故に吾々浜民は熱心其の成功を告げ公衆の利便を計らんとするも、前陳の如く貧弱の微力工事費の全部を負担するに堪へ難き事なり。依て右工事費の幾分を村税を以て補助せられん事を御議定被下成度、別紙修繕費見積書相添へ此の段謹て及請願候也。 256
元のページ
../index.html#324