女川町誌
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⑵ 運賃の制定 往還道路の取締りと共に御宿奉行が貨物の運賃を制定したが、一里十文とし、一駄四十貫、乗掛けは両荷二十二貫目、乗主十八貫目合せて四十貫、米一石四十貫を一駄荷と規定し、宝暦年間の頃、石巻より仙台までの駄送賃は、 石巻より矢本へ二里二十一町二十六間 本荷五十八文、から尻三十七文 矢本より小野へ 本荷四十九文、から尻三十二文 小野より高城へ 本荷七十一文、から尻四十七文 高城より利府へ 本荷七十八文、から尻五十一文 利府より原町へ 本荷七十文、から尻四十六文 宝暦五年二月(懐中御用留) 但本馬七十六文、駕籠百五十二文、井内之儀者、湊村同断(天保九年御巡見様御用留) 右の規定に拘らず荷物運搬の人夫共の中には、荷主に対して賃料の増金や酒代を強請したり、定量外の荷物を積んだり、或は公用荷物の制札にかくれて私物商品を輸送するものも現われた。 在々駅場にて諸士之駕籠人足者勿論、諸荷物運送之者裸に成、肌を脱、又者小歌を唄ひ、高囃をし取噪候儀等無用に可為仕候。凡て往来之者に対し聊も不敬不作法無之、尤諸荷物粗末に無之取扱候様可被申付候・人足馬行之者酒代等ねだり候様之心得無之様可被申付旨、前々申渡置通に候処、近頃諸士の駕籠人足等不敬不作法之事共在之哉に粗相聞得候。畢竟駅々役人共兼而制道怠候儀と外不相見得、不都合之事に候。凡て往来之者に対し聊不敬不作法之儀無之様別而可申渡置候事。 諸役人廻村に付、村々より御伝馬歩夫相出候者、村々より駅馬へ加入馬に相詰候者の不敬不作法之事在之哉に相聞得、不都合251

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