女川町誌
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により女川を経由すべし。⑵以上女川開港に依り受くる郵便物上の利益は単に東北々海道の問題にあらずして、日米支間に渉る大なる問題なり。第六小樽・函館・釜石・大船渡・塩釜と女川⑴東北々海道開発の為め対米定期寄港地の必要なるは何人も異議を挿さむ餘地なし、小樽・函館は港湾としては良港湾なれども他の地方との関係上対米定期寄港地とはならず、特定の貨物ある時臨時航海をなすのみなり。⑵釜石・大船渡等は日本定期船の寄港地としては餘り北上せるを以て勿論問題にあらず、東北振興の上より見るも北に偏し、又陸上連絡も甚しく迂廻するの不便あり。⑶塩釜の内港は水浅く外港は波荒く、日米定期船の寄港地にあらざるは自ら明かなり。⑷船舶入港せば登簿噸数一噸につき毎回七銭の噸税を課せらる、之れ海運業者の重圧を感ずる所なり、然るに定期寄港とせば臨時三回分の入港費により幾回も入港することを得るを以て、定期寄港は海運業者の最も喜ぶ所なり。⑸然るに前述の如く東北北海道には未だ日米定期船の寄港地に適するものなし、独り女川港は自然の良港なるを以て、修築費は僅に数十万円而かも各港の短を悉く補ひ海運業者も亦必ず歓迎寄港する所なるべし。第七結論⑴東北地方には海陸共に多くの資源あり、又労銀安く且つ男女多くの出稼人あり、然るに何故東北の産業振興ざせるや、其依つて来る所種々あるべしと雖、資本の欠乏と人心の開発未だ定らざるにあり、然るに今や東北振興会社は多くの資本と電力とを充実し、待つべきものは唯人心の開発あるのみ。人心の開発は素より教育の力に待つべしと雖も、亦一面通信交通の開発により事業に対し機敏に利害を感ぜしむるにあり、是れ対米商港を東北に求むる所以なり。⑵然るに東北々海道を通じ日米定期船の寄港地は第六に論じたるが如く唯女川あるのみ、而かも女川開港は東北々海道地方の為のみならず、旅客郵便物生糸等の為には全国的に否米支の為に重大なる便益あることは既に論じたるが如し。故に女川開港は東北振興の問題として、又全国的の問題207
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