女川町誌
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於てをや、就ては該県会の建議を容れ、該工事費豫算総額七十万餘円の内弐拾五万円は地方税より寄附せしめ以て之に充て、残り五拾参万餘円を国庫費に資し工事著手を速にせんことを欲す、尤も工事計画は三ヶ年を以て成工せしむへき目的なれば、国庫費は一九、二十、二十一の三ヶ年度に割合支出を要するものなり、而して其の工事は渾て当省に於て直接施工せんとす右閣議を請ふ明治十九年一月内務大臣⑷英国領事の書簡明治十九年五月三十一日、英国領事が新潟函館駐在ジョン・ゼグインに贈つた書簡から摘記したものを左に掲げて見よう。女川湾は石巻港を距る東北凡四里弱の所に在りて、其天然の良繋船場たることは言を俟たすと雖、唯陸地の便なきを一大欠点とす、而て此の欠点を医し完全の良港たらしむるの計画順序は概略左の如し一、湾口に於て南北二百六拾間東西百八拾間方形の船溜を設く、此の船溜場の周囲は水底地盤より石壁を築き上けて之を囲み、其東面壁の中央に於て長二十間の通航路を開き以て船舶を場内に引入るる用に供す、場内は深二十四尺より十二尺に至る該石壁の頂面は幅十間にして荷物揚け下しの道路に充つ、又該壁の西南隅に於て長十間の通船口を開き、之を陸地運河の川口とす、壁外は唯北面の一方のみ一条の船渠を通し、南西の二面は之を埋立てて平地となす、壁外東面の湾内には突堤を築て以て大船の碇泊を安からしむ、此の湾内は深三十尺乃至六十尺あり、但し壁外南西北三面の埋立には運河開鑿の土石を用ゐる積なり。一、本港の市街地には該壁外の埋立地及ひ沿湾鷲神・女川・小乗・高白・宮ヶ崎・桐ヶ崎・石浜の平地若くは埋立地丘岡等を用ひるときは、万餘戸を容るるに充分なり。一、陸便を謀るの運河は湾口船溜場の西南通航口より、鷲神の地峡長千八拾間を高潮面以下拾六尺干潮面以下八尺底幅四拾八尺以下全線皆同に掘鑿し之を万石浦に通す、万石浦の湾中には澪線長千八百八拾参間三分餘り淩渫し護岸工を施し之を渡波の海浜に続け同海浜より石巻港北上川の東岸に至る長三166

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