女川町誌
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でいる。この点に於ては全国的にも有名で、家畜は猫のみで、車もない状態である。江島以外の諸島は無人島であるが、海猫の産卵養殖する島に足島始め小島・蛇島・恋の島・平島等がある。一三、出島出島は尾浦の前面、尾浦半島から僅か三〇〇米距つた東方に横わる大島で、南方に突出た寄磯半島と共に、女川湾口を扼している。かつ女川湾と雄勝湾とを界する位置にあたつている。島は南北凡そ三・三粁、東西一・五粁で、(安永風土記には南北四拾九丁六間、東西弐拾弐丁五拾間とある)北部は狭く、南部に広くなつている。島の地形は大体海抜六〇米の海蝕台地で最後部が八七・八米、海岸地帯は絶壁で岩礁が多い。島内は出島と寺間の両部落からなつている。出島の中心地出島部落は尾浦に直面し、北に鮹島が横わり、南は狭い海峡により尾浦半島に相対している。港は海水が深く(六―二四米)、また如何なる方面よりの風にもさまたげられない波静かな好錨地で、全島の主邑となつている。道路は出島より寺間に至る約三粁が、本島の幹線をなし、港よりの上り口のみが両部落ともに坂路で、他は殆んど平坦な道となつている。しかし両部落に入る通路は道路と称するに足らないもので、車馬などの使用にも極めて不便江島住民の生業(昭和二七年調)76

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