女川町誌
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とした小漁港である。太平洋よりの直接の風波は東方に突出している大貝崎や鳥とつ島ちまなどに遮ぎられているので、風波が割合に穏かで、地先の漁業には好適の場所である。聚落は海岸沿いの低地約一五〇米平方位の地に集中し、その稍々中央部に小学校分校が設置されている。塚浜の東方にあたる大貝崎を南に廻つた海岸に、小屋取(こやとり)という戸数二三戸の小部落がある。江島列島を前面に望み、太平洋に直面している純漁村である。これより以南を鳴浜と称し、牡鹿町大原に接している。塚浜及び小屋取住民の生業(昭和二七年度調)小屋取の部落の実業団始め青年団や漁業組合、そして小学校分校も部落の祭りも、一切の社会生活は塚浜と一体的に営まれている。この浜には地主も大型漁船の持主もなく、半漁半農の生業となつている。ただ仲間的統制を中核とする伝統的生活習慣が強く支配している。一〇、桐ヶ崎・竹ノ浦・尾浦女川湾の北岸の東北部に位置する桐ヶ崎・竹ノ浦及び尾浦の三部落は、雄勝街道の沿線に点在する海岸の聚落で、72

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