女川町誌
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一名は運転者で日本海溝の潜水ではウーオ艇長が自らあたります。 艇は水平方向にも約半ノットでゆつくり動くことができます。海上のえい航速度は四ノットです。また、面白いのはガイド・チェーンという重さ約百五十キロ、長さ約十メートルの鎖があり、艇が海底に近接したとき海底上に着いた鎖の目方だけ軽くなり降下速度をのろくすることができます。 (バチスカーフ運営委員会) FNRS三号をフランスから借用するに当つて、日本側にバチスカーフ運営委員会がつくられました。委員長は前東京水産大学々長松生義勝博士で、四月十二日現在のメンバーは末尾の表の通りです。この委員会がフランスにあるバチスカーフ委員会(委員長、フランス海洋研究所長L・フアージユ博士)と「日本におけるFNRS三号バチスカーフ研究旅行に関する契約書をとりかわしました。すべての運営の大網はこの契約書に基いていますが、重要な点だけ挙げますと、 1、実施すべき潜水の数は十一回。その割当は乗員が日本側委員会の指名によるもの八回、フランス人生物学者が乗るもの三回。 2、期間は三か月。(十一回潜水できなかつた場合は帯在期間の延長を要求できる) 3、科学的結果、ならびに写真や映画による記録は、日仏両機関の所有とする。朝日新聞社はフランスおよびその海外領土を除いて、バチスカーフの航海中、滞日中ならびに滞日中に行つた潜水による全てのルポルタージユ、記事、写真、映画の公表の独占権を持つものとする。 日本側バチスカーフ委員会はこれまでにもしばしば会合して研究、計画その他の事項を決めましたが、五月十四日ウーオ艇長の到着を待つて相談の上、実施細目を決めることになつています。 (来日するフランス関係者) 1、艇長 ジヨルジユ・ウーオ海軍少佐 ((Georges Houot)2、副長 ガブリエル・オバーン海軍大尉 (Gabriel O’byrne)3、乗員 ダニエル・ロスト兵曹長 (Daniel Rost)4、乗員 マルセセル・ベルテロー兵曹 (Marcel Berthelot)5、乗員 クレマン・セラン兵曹(Clement Serrant)6、乗員 ミシエル・テボー兵曹(Michel Thébaut) 7、生物学者 Jペレス (J.M. Peres) マルセーユ大学理学部教授 (到着予定) ▽五月十四日午後九時四十五分羽田着 フランス航空機 ウーオ、オバーン、ロスト 三氏 ▽五月十五日神戸、十八日名古屋、十九日横浜入港 熱田丸 ベルテロー、セラン、テボー 三氏 ▽六月中旬 羽田着 ペレス氏 983 983
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