女川町誌
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一一、区長制度の変遷 明治二十二年町村制実施以来の区長制度が大東亜戦争に突入せんとする頃から、地方改良の手段として町常会というものが起り、部落には部落会、その下部組織に隣組(五、六戸位で一組)というものが出来、戦時体制下の町村に於ける最も重要にして強固なる組織となつた。命令下達励行組織として曾つて経験のない成績を挙げたと言つてよいと思う。次に挙げる予算の変化を見れば強化弱化の状態がよくわかる。 昭一六年区長報酬 八三六円地方改良費 四、〇〇〇 ㈠納税奨励費 三、七〇〇 ㈡町常会諸費 一〇〇㈢敬老会費 二〇〇昭一七年区長報酬 八四五地方改良費 三、三〇〇 ㈠町常会助成費 三、一〇〇 ㈡敬老会費 二〇〇昭一八年区長報酬 八四〇地方改良費 一二、三〇〇 ㈠町常会助成費 三、一〇〇 ㈡敬老会費 二〇〇昭一九年区長報酬 ── 地方改良費 三、一五六・六〇 ㈠町常会助成費 二、七二四・四〇㈡敬老会費 四三二・二〇昭二〇年区長報酬 ── 地方振興費 四、七〇〇 ㈠町常会費 二五〇㈡部落会諸費 四、〇〇〇 ㈢表彰費 一〇〇㈣敬老会費 三五〇昭二一年区長報酬 ── 地方振興費 四、八一〇 ㈠町常会費 三六〇㈡部落会諸費 四、〇〇〇 ㈢表彰費 一〇〇㈣敬老会費 三五〇昭二二年区長報酬 ── 地方振興費 一四、七〇〇㈠町常会費 一、五〇〇会長報酬 ㈡部落会諸費 一一、六〇〇会長弁償 ㈢表彰費 六〇〇㈣敬老会費 一、〇〇〇 昭二三年区長報酬 ── 地方振興費 二九二、〇〇〇㈠表彰費 二、〇〇〇 ㈡部落嘱託費 一二六、〇〇〇㈢納税貯蓄団費 二八、〇〇〇㈣振興雑費 八六、〇〇〇昭和二十三年度より部落嘱託というものが生れた。それは部落会という体勢が戦時組織で、大政翼賛会感が抜けないから部落会とか部落会長とか隣組というような組織も、言葉も解消せよとの命令によるものである。さりとて区長制もまだ許可されないから、町は各部落に然るべき人物を嘱託して町の命令を伝達し、且つ部落内のことを取りまとめさせるようにしたのである。無論部落会長の如き強い力はなく、又敗戦という事実の下 967 967

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